【精神科医が解説】自分が他人に操られてしまう「させられ体験(作為体験)」って?どんな病気でみられる?

目次

はじめに

こんにちは。精神科医として心の健康に関する情報を発信している、精神科医ブロガーのやっくん(@mirai_mental)です。

今回は、「させられ体験」という用語について解説していきます。

させられ体験とは

させられ体験とは、読んで字のごとく、自分ではない誰かに何かを「させられる」体験のことを指します。作為体験とも呼ばれます。

たとえば操り人形のように誰かに行動させられたり、考えを操作されたりするといった症状がみられます。普通は自分の行動や考えを操られることはありませんから、いわゆる病的体験として用いられる用語です。

させられ体験がみられる病気

させられ体験は、主に統合失調症でみられます。統合失調症では、自我の障害(自分と他者との境界があいまいになってしまう)が特徴的にみられます。

そのため、自分が行動したり考えたりしているはずのことも、そう感じることができなくなり、他人にあやつられているように感じてしまうことがあります。

似たような症状として、思考奪取や思考吹入(考えていることを奪われるように感じたり、吹き込まれたりする)、考想化声(考えていることが声になって聞こえてくる)などもあり、どれも統合失調症の自我の障害が原因となる症状です。

おわりに

「させられ体験」という用語について解説しました。以下が内容のまとめです。

まとめ
  • させられ体験(作為体験)は統合失調症でみられる
  • 他人に行動や考えを操られるといった病的体験のことを指す
  • 統合失調症に特徴的な自我の障害が原因と言われている
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この記事を書いた人

大学病院勤務の20代精神科医。市中病院で初期研修後、大学にて精神科後期研修3年目。ブログ運営が趣味(3サイト運営中)勉強を兼ねて、精神科の知識やネタについてアウトプットしていきます。

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