【精神科医が解説】「妄想気分」ってどんな症状?どんな病気でみられる?

目次

はじめに

こんにちは。精神科医として心の健康に関する情報を発信している、精神科医ブロガーのやっくん(@mirai_mental)です。

今回は、「妄想気分」(もうそうきぶん)という精神科用語について解説していきます。

妄想気分とは

妄想気分は、妄想の症状のタイプを表す四字熟語です。

妄想気分は、周囲が何かただならぬ不気味な様子で、大変なことが起こりそうだ、といった不安感を抱いてしまう内容の妄想になります。

中には「世界没落体験」といって「世界が破滅してしまう」などといった非常にスケールの大きい妄想を抱いてしまうこともあります。

妄想気分の具体例

「世界が何か不気味な空気に満ちている」

「何かただならぬことが起きそうな感じがする」

生じ方による分類

妄想にはその特徴に応じて、「一次妄想」「二次妄想」に大きく分けられます。妄想気分は、その生じ方が心理的に理解できないため、一次妄想に分類されます。

妄想の種類

一次妄想

生じ方が心理的に了解できないもの(妄想気分、妄想知覚、妄想着想)→おもに統合失調症にみられる

二次妄想

生じ方が心理的に了解可能なもの(被害妄想、微小妄想、誇大妄想など)→統合失調症、気分障害、認知症などでみられる

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妄想気分が見られる病気と治療

妄想気分は、おもに統合失調症で見られる症状です。

統合失調症は幻聴や妄想、まとまりのない思考などが見られる病気です。

統合失調症の症状は大きく分けて陽性症状(ないはずのものがある・・・幻覚・妄想など)と陰性症状(あるはずのものがない・・・無為・自閉など)に分けられます。

妄想気分は妄想の一種ですので、陽性症状に分類されるものになります。

基本的に治療は抗精神病薬を用いた薬物療法が行われます。

おわりに

妄想気分」という用語について解説しました。以下が内容のまとめです。

まとめ
  • 妄想気分は、何かただならぬことが起こりそうだという妄想
  • 一次妄想に分類される
  • 主に統合失調症で見られる
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この記事を書いた人

大学病院勤務の20代精神科医。市中病院で初期研修後、大学にて精神科後期研修3年目。ブログ運営が趣味(3サイト運営中)勉強を兼ねて、精神科の知識やネタについてアウトプットしていきます。

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