【精神科医が解説】「行為心迫」とは何か?どんな病気でみられる?

目次

はじめに

こんにちは。精神科医として心の健康に関する情報を発信している、精神科医ブロガーのやっくん(@mirai_mental)です。

今回は、「行為心迫」という用語について解説していきます。

行為心迫とは

行為心迫(こういしんぱく)とは、精神医学の分野で用いられる四字熟語です。

精神科用語シソーラスによれば、心迫(しんぱく)とは、「目標の定まらない欲動の亢進」のことを指すと書いてあります。

行為心迫とは、行動をする欲求の亢進した状態、つまりあれこれ行動せずにはいられず、じっとしていられない状態のことを指す言葉です。

どのような病気でみられる?

行為心迫という状態像をきたすことが多いのは、躁状態の場合です。

双極性障害などの躁状態の場合、気分が高揚し、目標指向性活動の亢進(仕事や勉強、趣味などを頑張ろうとしすぎてしまう)や、考えが次々に湧いてきたり(観念奔逸)、多弁になったり、次々に行動を起こしてしまう様子がみられます。

行動をせずにはいられない行為心迫状態になると、次々に行動を起こそうとしてしまい、休む間もなく新しい仕事の企画を始めてみたりといった様子がみられます。

行為心迫はある程度まとまりのある行動の心迫を表すことがおおいですが、躁状態では次々に考えがわいてきたりして、結果として目標がはっきりしない状態となることもあります。

ちなみに、躁状態では「談話心迫」といって、話さずにはいられなくなり多弁な様子になることもあります。

おわりに

躁状態でみられる「行為心迫」という用語について解説しました。

躁状態では、基本的に思考や行動のエネルギーが異常に亢進してしまい、次々に考えがわいてきたり活動性が異常に亢進してしまう様子がみられます。

以下の記事では「観念奔逸」についても説明しています。ぜひご参考にしていただければ幸いです。

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この記事を書いた人

大学病院勤務の20代精神科医。市中病院で初期研修後、大学にて精神科後期研修3年目。ブログ運営が趣味(3サイト運営中)勉強を兼ねて、精神科の知識やネタについてアウトプットしていきます。

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