【精神科医が解説】ジプレキサを飲むと人生終わり?廃人になる?医学的に誤解を解き明かします

目次

はじめに

こんにちは。精神科医として心の健康に関する情報を発信している、精神科医ブロガーのやっくん(@mirai_mental)です。

この記事では、「ジプレキサを飲むと人生終わり? 廃人?やばいのか?」といった疑問にお答えしていきたいと思います。

[st-mybox title=”キーワード” webicon=”st-svg-check-circle” color=”#FFD54F” bordercolor=”#FFD54F” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]

ジプレキサ 人生終わり 廃人

[/st-mybox]

この記事を書いた理由

なぜこんな疑問に対して記事を書いたのか?

その理由を説明すると、Google検索の結果を見たからです。

「ジプレキサ」と調べると、なぜか「ジプレキサ 廃人」「ジプレキサ 人生終わり」「ジプレキサ やばい」といった関連キーワードがサジェストされます。

どうしてこのようなキーワードが提案されるのか分かりませんが、とにかく、薬の名前を調べた患者さんがそのようなワードを目にしたら、あまりいい気持ちにはならないと思っていました。

ジプレキサはそんなにやばい薬なのか?飲んだら人生終わりなのか?

精神科医として、その疑問にお答えし、誤解があればそれを解いていきたいと考えています。

ジプレキサとは

ジプレキサ®︎(一般名オランザピン)は、精神科の薬の中でも「統合失調症」や「双極性障害など」に用いるお薬です。

このお薬は統合失調症に用いる「抗精神病薬」というジャンルに分類される薬で、その中でも「第二世代(非定形)抗精神病薬」というものに分類されます。

初期に登場された「定形抗精神病薬」と比べると、より新しい世代の薬になります。MARTA(多受容体作用抗精神病薬)と呼ばれる、いろいろな受容体に作用するお薬です。

特徴としては、統合失調症の治療の主役となる抗幻覚妄想作用の他に、双極性障害に用いられることから抗躁作用や、抗うつ作用など、様々な作用を持ち合わせています。

  • [st-flexbox url=”” rel=”nofollow” target=”” webicon=”” title=”ジプレキサ®︎の保険適応” width=”” height=”” color=”#fff” fontsize=”200″ radius=”0″ shadow=”#424242″ bordercolor=”#ccc” borderwidth=”1″ bgcolor=”#ccc” backgroud_image=”” blur=”on” left=”” margin_bottom=”0″ myclass=””]
    統合失調症
    双極性障害における躁症状及びうつ症状の改善
    抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
    [/st-flexbox]

ジプレキサの副作用

ジプレキサは、上で説明したように様々な受容体に働きかける薬のため、副作用も様々なものがあります。

特徴的なものには、鎮静効果(眠気)、高血糖などの代謝異常などがあります

鎮静作用は、その様々な受容体への効果の中で抗ヒスタミン作用などが影響していると考えられます。抗精神病薬の中でも、ジプレキサの鎮静作用は強い方で、興奮の強い統合失調症の患者さんや、焦燥の強いうつ状態の患者さんなどにも使ったりします。

この鎮静作用をうまく使うと、こうした患者さんにメリットに働くこともあるのですが、逆に眠気が強すぎて、社会復帰への障害になることもあります。副作用も、効能も、結局は使い方次第といったところです。

またジプレキサには代謝異常(高血糖、体重増加など)の副作用も特徴的で、添付文書では尿病の患者さんには投与が禁忌となっています。

人生終わる?廃人になる?

病院でジプレキサを出された場合、「人生が終わる」ほとまずい事態なのでしょうか。本音を言うと、そんなことはありません。

ジプレキサは、もちろん様々な副作用もあるおくすりですが、うまく使えば統合失調症や双極性障害、うつ病など、様々な病気や症状のコントロールに貢献する重要な武器となります。

確かに、「こんな薬を飲み始めたら人生終わりだ」と思ってしまう気持ちもわかりますが、私が診療している患者さんでもジプレキサを飲んで元気に社会で活躍している方は多くいます。

「廃人になる」という疑問に対してですが、「薬によってドロージーにされてしまう」といった定義だとしてみましょう。

確かにジプレキサのような鎮静系の抗精神病薬を多量に飲み続ければ、場合によって鎮静がかかりすぎてしまう可能性はあります。

とはいえ、そのような場合は他の鎮静の少ない薬に切り替えたり、量を調整するといった方法で対処が可能だと考えます。

まとめ

[st-mybox title=”まとめ” webicon=”st-svg-check-circle” color=”#FFD54F” bordercolor=”#FFD54F” bgcolor=”#FFFDE7″ borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]

・ジプレキサは「抗精神病薬」に分類されるお薬

・統合失調症や双極性障害などに適応がある

・鎮静作用や代謝異常などの副作用が特徴的

・ジプレキサを飲んだからといって「人生終わり」は杞憂!

[/st-mybox]

最後までお読みいただきありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大学病院勤務の20代精神科医。市中病院で初期研修後、大学にて精神科後期研修3年目。ブログ運営が趣味(3サイト運営中)勉強を兼ねて、精神科の知識やネタについてアウトプットしていきます。

コメント

コメント一覧 (8件)

コメントする

目次